「そういえば、実羽ちゃんは何歳なの?」
「あたし?あたしは雫ちゃんと同じ16歳!」
「…あれ?なんで、あたしが16歳だって知ってるの?」
「…そのうち、わかるよ」
彼女はそう、笑顔で答えた。
「あっ!ごめ~ん。あたし、検査の時間だわ~。また来るね!」
「う…うん!またね」
―ガチャ
ドアの閉まる音とともに、私は疑問を感じた。
なんで、実羽ちゃんは私の存在を知っているの?
なんで、実羽ちゃんは私の年齢を知っているの?
なんで…
複数の疑問が頭の中でぐるぐるしている。
もしかしたら、私と実羽ちゃんはどこかで会っているのかもしれない。
昔、幼稚園か小学校、中学校にいた子なのかな…?
それ以外に記憶はない。
中学2年生になって少したつころ、私は入院したから、それからというものの、同年代の子との関わりは全くといっていいほどなくなったから。
「…まぁ、いいや」
あんまり気にし過ぎても、頭痛がするのでこれ以上考えるのはやめた。


