急性大好き症候群

「それであたしはますます人見知りに……って、その子ってまさかの太一か」


思わずまじまじと目の前の中学生を見てしまう。


顔とか全然覚えてないけど、今となっては恥ずかしがりやさんだったのかな……とか思うけど。


「え、俺?」

「あたしがなけなしの勇気を振り絞って挨拶したのにも関わらず逃げられたという」

「覚えてねえ。唯織って人見知りなんだ」

「太一って、シャイなの?」

「俺? いや、別に」

「小さかったからかなー」

「なー、早く入ろうよ。俺、もう外嫌なんだけど」


あたしの返事を待たずに太一がさっさと家の中に入っていく。あたしも慌てて追いかけて中に入った。