次の日、あたしはこの間襲われかけたあの公園に来ていた。


真夏に女の子を待たせんなよ……。


ここに来る前に日焼け止めクリームを塗って制汗剤を体中に撒き散らしたけど、それらが汗と灼熱で全て流れ落ちそうだ。


一応あたしの後輩なわけだし、うちの高校を目指していると聞けば、ちょっとはおせっかいもしたくなる。


でも、炎天下に10分も女の子を待たせるとは、あいつはどんな神経をしているのだ。


アイス二個奢り決定だな。


「唯織~、ごめんごめん」


太一がだるそうにやってきた。


もはや太一の方に体を向けるのですら億劫だ。


「遅い。講師を待たせんな」

「え、唯織ってそんなキャラだっけ? 軽くショック」

「暑いの。アイス二個奢ってもらうから」

「それくらいなら喜んで」

「じゃあ五個に増やしてやる」

「えー、何それ~」

「さっさと家に案内してください」

「ん。着いてきて」


太一が今来た道を戻り始めた。