急性大好き症候群

「まあ、まだ好きなら止めないよ」


太一がニヤッと笑う。


「……けっこう鋭いんだね」

「なんとなくわかる」

「顔で?」

「なんとなく」

「わかんない」


あたしはため息を吐いた。


「ていうか、唯織はなんでここにいるの?」

「太一こそ」

「俺は読書感想文の本探し」

「図書館嫌いそうだもんね」

「大嫌い。一秒だってあんな静かな空間にいたくない」

「受験生も読書感想文か」

「あ、受験生で思い出した。唯織、数学得意?」

「唯一の得意科目」


すると、太一がおもむろにあたしの手を握ってきた。


「へ?」


太一の体温が手に伝わってきて、不意に胸の中が熱くなった。