急性大好き症候群

「部活してて頭いいのは、相当努力してるからでしょ? 尊敬する」

「別に……」


成績の話なんてしたくない。


勉強してるのだって、目標があるからであって、決して好きなわけじゃない。


「あ、嫌だった? ごめんね」

「え?」

「前野さん、その話は嫌だって顔してたから」

「顔に、出てた?」

「なんとなくね」


板垣くんが申し訳なさそうに眉尻を下げて、力なく笑った。


何も言わずに気持ちを察せられたのは初めてだった。


美紗曰く、あたしは黙っているとほとんど感情を顔に出さないらしい。


別に意識して顔に出していないつもりはないんだけど。


「サイボークみたい」と美紗に言われたときはさすがに傷ついたけど。


そのあたしの気持ちを察せるなんて。


……好き。


特別な感じがしてしまった。


これは、板垣くんにとっては普通のことなのかもしれないけど。


好きなの。


板垣くんが、好き。