急性大好き症候群

「板垣くん……」

「どうかした?」

「え?」

「泣いてるから」

「あ」


あたしは慌てて目に溜まった涙を袖で拭った。


泣いてるところ見られた……。


恥ずかしい。


「い、板垣くんこそ、どうしたの?」

「弁当箱忘れたから取りに来た。前野さんは?」

「数学の教科書を取りに……」

「まじ? すごいなあ」

「そんなことないよ」

「でも、前野さん、この間のテスト学年10位でしょ? すごいよ」

「な、なんでそんなこと……」

「けっこう評判なんだよ、前野さん」


そんなことで評判にならなくてもいいのに。


成績で評価されるような人間にはなりたくないから。