急性大好き症候群

自覚したら、なんだか泣けてきた。


目頭が熱くなる。


ダメダメ、あたしは泣くキャラじゃない。


『飯田さんと付き合ってるらしいよ』


あたしは、付き合えなくてもいいの。


隣の席で、彼を見ているだけで幸せなの。


一瞬でも彼の笑顔があたしに向けられているだけで十分だから。


高望みはしない。


でも、これからは、その笑顔も飯田さんにしか向けられなくなるのかと……。


もう、あたしには向けてくれないのかな……。


それは、悲しいかな。


「あれ、前野さん?」


俯いていたら、聞き覚えのある声がそばで聞こえてきた。


びっくりして顔を上げると、教室に入ってきた板垣くんが目に入った。