急性大好き症候群

「板垣くん、彼女いるらしいよ」


ある日、教室で女の子たちがそういう話をしているのを聞いてしまった。


椅子に座って話していた美紗と顔を見合わせる。


「それ、誰情報?」

「飯田さん。自分が付き合ってるって、自ら公言してたよ」

「飯田さん、前々から板垣くんのこと狙ってたよね」

「そうそう。見てるこっちが嫌になるくらい、板垣くんの前では猫被りモードでさ。他の男子も引いてた」

「板垣くん、よくあんな子と付き合ったよね」


そんな会話が耳に入ってきた。


「飯田さん、彼女なんだ」

「唯織、一歩遅かったわね」

「別にいいよ。告白するつもりもなかったし」


溜め息をついたあたしの隣で、美紗が唸った。