急性大好き症候群

────去年の高校の入学式。


念願の第一志望の高校に入れて、あたしは期待に胸を膨らませながら一年四組の教室に入った。


「唯織、また一緒だよ~!」


教室に足を踏み入れるなり、制服に身を包んだ美紗が、あたしに飛びついてきた。


「十年も一緒だと、なんか新鮮味がないなあ」

「あんた、もうちょい嬉しそうなリアクションしなさいよ」


あたしから離れた美紗がぶっと頬を膨らませたから、思わずぷっと吹き出してしまった。


「美紗、あたし以外にも友達作らなきゃ。いつまでも二人だけでじゃいられないんだから」

「うわっ、唯織ったらリアリスト。入学式の日くらい、浮かれさせてよね」

「んなこと言って、美紗はいつまでも実行しようとしないから」

「唯織に言われたくないわね」

「ごめん。ちょっといい?」


その時、頭上から、低い声が降ってきた。


超えに反応して振り向くと、あたしの目線はブレザーに当たった。


背が高い?


そう思って目線をあげた瞬間、全身に電気が走ったような衝動を感じた。


本当に、頭の先からつま先まで、一瞬ビリビリときたのだ。


「あ……すみません」


なぜかその人の顔が見れなくなって、あたしは下を向いて、そそくさと自分の席に座った。