「麻尋ちゃんのことが本当に好きなら、言いなさいよ、はっきり。あたしに逃げてないで、あたしで欲求不満を解消するんじゃなくて、麻尋ちゃんで済ませなさいよ」
今更正論を言っても太一はわからないだろう。
人は間違っている中にいると、正しいも間違いもわからなくなってくる。
ただそこにあるものだけが正しいと信じてやっていくしかないのだから。
あたしはそこに片足を突っ込んでいた。太一は全身浸かっているだろう。
若くて未熟故に染まりやすい。
「もう、こんなことはやめる。あたしは太一が好きなの。耐えらんない。太一は麻尋ちゃんだけ見ていればいい。あたしにもう頼らないで」
「唯織…………」
太一は今何を思っているのだろう。
今はそんなもの知りたくない。
「あたしを抱きたいなら、麻尋ちゃんと別れてあたしと付き合って。あたしは太一のセフレはもういや」
それだけ言って、あたしは部屋を出た。
太一の卒業式の前日のことだった。
今更正論を言っても太一はわからないだろう。
人は間違っている中にいると、正しいも間違いもわからなくなってくる。
ただそこにあるものだけが正しいと信じてやっていくしかないのだから。
あたしはそこに片足を突っ込んでいた。太一は全身浸かっているだろう。
若くて未熟故に染まりやすい。
「もう、こんなことはやめる。あたしは太一が好きなの。耐えらんない。太一は麻尋ちゃんだけ見ていればいい。あたしにもう頼らないで」
「唯織…………」
太一は今何を思っているのだろう。
今はそんなもの知りたくない。
「あたしを抱きたいなら、麻尋ちゃんと別れてあたしと付き合って。あたしは太一のセフレはもういや」
それだけ言って、あたしは部屋を出た。
太一の卒業式の前日のことだった。

