急性大好き症候群

自分がしようとしてることがどんなにひどいことか、よく考えて。


しかし、あたしの思いはこういうときに限って届かなかったらしい。


首にかかっていた手が外されて、あたしの両腕を頭の上でまとめた。


「たい、ち……」

「俺が上手いのか下手なのか、実験台になってよ、唯織」


つまり、太一は麻尋ちゃんの不感症を自分のせいだとも思っている……?


「太一、ダメだってば!」

「いいから大人しく抱かれとけよ、うるさい」


太一はもはや聞く耳を持っていない。


やばい、こんなの、間違ってる。


頭の中でけたたましく響いていたはずの警報は、太一の耳元での囁きによって簡単にストップした。


「逃がさねえから」


その声が消えてしまいそうに儚げで、でも艶かしく美しくて。


あたしはその色気に侵された。


惚れたのが悪い。