急性大好き症候群

思わず目をつぶって、衝撃に耐えようとした。


が、次の瞬間には背中に柔らかい感触。


……痛くない?


幸いにもあたしはベッドに倒れ込んだらしい。


「わっ!」


いや、違う。全然幸いじゃない!


太一を抱き締めたあたしがばかだった。


目の前には太一の顔。


巻き込まれた太一、ほんとすみません。


……じゃない!


「た、太一……」

「これって、俺に抱かれたいってこと?」

「違う!」


完全に巻き込み事故ですから。


太一はあたしの顔の横に肘をついてあたしを見下ろしていた。


意地悪そうな口調でも、涙の跡が頬にあってまだ涙目な太一の顔が痛々しい。


「なんで、泣いてんの……?」

「え?」


泣いているのは太一なのに、なんであたしに聞いてくるのか。


太一の唇があたしの目尻に触れた。


「やっ……」


思わず目をつぶると、目尻から熱いものが一筋流れた。


ああ、そうか。あたしも泣いてるんだ。


熱い涙がどんどん溢れてきて止まらない。


あたしの涙が太一の唇を濡らす。太一の唇が何度も目尻に触れて、あたしの涙を吸った。