急性大好き症候群

「あれ? 唯織、今日早いね」


親友の佐野 美紗(サノ ミサ)があたしの前に立っていた。


「……おはよ」

「……いつに増して暗いわね」

「さっき飯田さんにも言われました」

「は? なんで飯田さん?」

「…………」

「あ、そういうことか」


美紗がにやりと笑う。


美紗には、あたしが言いたいことがわかったらしい。


「裕也くんでしょ」

「…………」

「ずいぶん好きだよね~」

「わけわかんない」

「私は別れた方がいいと思うけど」

「それができる勇気が欲しいわ」

「相変わらず」


あたしたちは、再びため息を吐いた。


何の解決にもならない永遠の連鎖だ。