もう何度目かわからない真っ白な世界にトリップしたその日、部活に行くと顧問の先生から美紗が部活をやめたという知らせがあった。


あたしに相談もなし?


顧問は足が治らないのが理由と言った。


その知らせを聞いた部員は途端にざわついた。


もともと最近ずっと部活に来なかったし、美紗の代わりに副部長のあたしが普段の部活や試合を仕切っていたけど、その知らせはあまりに突然だった。


「これから部長は前野、お前にやってほしい」


顧問にそう言われ、あたしは愕然とした。


背中に二年生四人の視線を感じる。


ああ、あたしのせいだ。


何もかも後回しにしてきたあたしのせいだ。


真っ白ではなく、真っ黒な世界に落ちそうな感覚に襲われた。