time ~戻れない時間~


その日の部活もヤル気が入らなくて先輩にも怒られた。私はいつの間にこんなにも彼を好きになっていたのだろうか。

恋がこんなにも苦しいなんて私は知らなかった。

帰り道も上の空…

チリンチリン

後ろから何度も聞こえる自転車のベルの音。私は振り向かずひたすら歩いた。

「おい!!知代っ!!」
居るはずのない彼の声が聞こえる。
私は一瞬、立ち止まってしまった。
彼は私が止まったと思ったからか自転車のブレーキの音が私の耳に届いた。

でも私はまた前へ歩き出す。
「おい、千代!!待てって!!」
再び動き出す自転車の音。
でも私の足は止まることなく前へ進む。

「知代っっ」平池は私よりも前に出てきて自転車をその場に止める。
私は止まらずに早足で歩いていく。