優香が亡くなってから1ヶ月。


優香の両親は北海道に行くことになった。


「敦也くん、元気でね」


「はい」



優香がいないのに、元気になれるわけがない。


「敦也くんが高校生になるときには、またこっちに戻ってくるの。そのときは、またよろしくね」


「はい」


このときの「よろしくね」っていう本当の意味を、俺は知らなかった。




高校生かあ。


俺は優香以外の人に、恋をしてるんだろうか…。


いや、それはきっとできないだろう。



あのときの優香の悲しそうな笑顔、俺は一生忘れない。



忘れられない。