今日は優香が旅行から帰ってくる日。
あんなことを言っておきながら、実は優香からのお土産を楽しみにしていた。
「敦也」
真剣な顔をして部屋に入ってくるお母さんとお父さん。
「何?」
「優香ちゃんが、亡くなったの」
は?
今なんて…。
嘘だろ…。
なんだ、ドッキリか?
演技うまいなぁ、俺の親は。
「なに冗談言ってんだよ。そんな話だったら出てってくれ」
「冗談なんかじゃない」
初めて聞く、お父さんの低い声。
「これ、優香ちゃんからのお土産よ。おそろいのストラップなんですって。優香ちゃんのはピンクで、敦也のは青のストラップ」
優香…今どこにいる?
俺の隣にいろよ。

