家に着くまで、俺と優香は黙ったままだった。
俺の隣の家は、あのときの家に戻っていた。
そういえば、優香のお母さんが俺が高校生になる頃に戻ってくるとか言ってたよな。
優香がいる。
それが当たり前だったけど、今では優香がいないのが当たり前になっていた。
だって優香は…亡くなったから。
亡くなった優香が、今ここにいる。
これは夢なのか?
それとも、優香が亡くなったことが夢なのか?
「敦也、あたしの家にあがって」
「あぁ」
懐かしい。
この家に上がるのは、何年ぶりだろう。
引っ越してばかりだからか、段ボールがたくさんあった。
「あたしの部屋、久しぶりだなぁ」
「優香、話してくれよ」

