入学式が終わり、帰ろうとして門を出た。
そこにいたのは…。
「敦也、はやくはやく。はやくしないと置いてくよ」
優香…?
俺は彼女のそばまで歩いた。
「久しぶりだね、敦也」
「お前…」
「優香だよ。忘れてないよね?」
忘れてないよ。
優香を忘れた日なんて、1日もない。
「嘘だろ…」
だって優香は…。
「これ…」
優香が出したのは、ケータイについているストラップ。
俺とおそろいの。
「はやく帰ろうよ」
「あぁ」
「優香、お前何で…」
「それは、家に帰ってからね」
大人になった優香。
最後に会ったときは、あんなに幼かったのにな。

