俊くんと競争しながら
サクラの木のもとに向かう。


走るのは、俊くんがはやい。
だから、いつも負けるのは私。
負けず嫌いな私は
その後しばらく拗ねる。


今日もまた。
俊くんに負ける。


ガッカリしながら
俊くんのところに行くと、
俊くんはサクラの木の根本を
見つめていた。



「また、負けちゃったー……」

「ゆめちゃん、みてみて」



拗ねている私に
俊くんは言った。


俊くんが指差しているところを
見るとそこには
クローバーが咲いていた。