好きっていって。

「か、風間くん! こんどはあたしが乾かすよ!」

「お、おう」

乾きかけの髪はすぐに乾いて。

タイミング悪いけど。そろそろはなすよ?

「あたしね?二年前に、家族と、親友を一人、亡くしてるの。」

そういうと、風間くんはあたしに向き合って、まっすぐあたしを見る。


「みんな、大事な人だった。当然ね?」

声が震えるの、わかっちゃうかなー?

「あたしが中3で、家族とその子、麻奈と旅行にいったの。春休みにね?あたしは部活に入ってたから、1日早く帰ったの。そして、部活行って帰ってきたら。電話があって。テレビで見るような警察の人が迎えに来て、病院に、つれてかれたの。」

やばい。泣きそう。

鮮明によみがえる記憶と、楽しい思いで。