あの電話以来、
ケイタくんとは連絡をとっていない。

ケイタくん・・気を悪くしているだろうか？

出て行く夫を見送って
ドアを閉めてすぐに
携帯を握った。


メールはきてない。

文字を打ち出しては、やめ・・・
携帯をながめては、
また置き・・・

意を決して
夕方、
ケイタくんにメールした。

『この間はごめんなさい。
メールもできないなんて・・・・』


『帰ったの？』

『ええ』


夫の家はここなのに、
「帰った」というのも
おかしな話だ。


夫は

一体どこに

「帰った」の？