あの頃、テレフォンボックスで

「瞳子・・・・

相手の男とは・・・・

もう寝たの?」



・・・・寝た?ケイタと?



私は自分の顔が真っ赤になっていくのが
わかった。


ケイタに触れたい。
抱き合いたい。
キスしてほしい。

いつもそう思っているのに、


そうしていると、
本当に幸せで
胸がいっぱいになるのに、

ケイタと寝ることなんて

考えられない。




「まさか・・・・

ケイタと寝るなんてこと、

ありえない・・・・・」



「瞳子~、
わけわかんないんだけど?


好きで、好きでたまらなくて
いつも一緒にいたい二人が
何もしないなんてことある?

36にもなってだよ?


それ、ホントに好きっていえるのかなぁ?
なんだか嘘くさいよ、っていうか
ありえない。」