「本当に久しぶりだよな、
こんな風にトーコさんと会うの。」

「そうね。秋は行事が多くて忙しいんでしょ?」

「うん。トーコさんが何してるか心配で。」

「心配?」

「そう。しばらく会わないでいたら、
またトーコさん、消えてなくなりそうになってるし。」


・・・・私が消えてなくなりそう?


「なんか・・・ここにいるのに、
ここにいないような人だから。

なんかあった?」



・・・・泣いちゃだめ。ケイタに涙なんか。



「学校で見たら・・・
ケイタはやっぱり高校生だった。

なんて言っていいか・・・・
こんな風に、
私なんかといるべきじゃないような気がして。

どうして、ケイタが
私の傍にいてくれるのか・・・・
よくわからないのよ。」



何も話さないケイタ。
怒ってる、のかな?



「俺がトーコさんに会うのは・・・
会いたいからだよ。


トーコさんの傍にいるのは・・・
傍にいたいからだよ。


トーコさんもそうなんだと思ってた。」



・・・・そう、なんだけど・・・・


「俺は今、高校生だけど、
あと1年ちょっとでそうじゃなくなる。

あと10年もしたら、20年経ったら・・・
誰も俺のことを子どもだなんて思わない。」



・・・・・だけど、
あなたは私には追いつかない・・・・。