悔しさとか不甲斐なさとか、まだほんの少し残る疑惑や不安とか、ないまぜになった表情でヨシヤを見上げる。

私は、当然ながら今まで誰かに支配されたことなんかない。
ましてこんな、不可思議な世界に住む人になんて、夢にも思わなかった。


約束した手前怖じけづいたと受け取られるかもしれない…。


「私、おうち帰れるよね?」



ヨシヤがもし、私を帰さなかったらどうしよう。



よっぽど不安げな顔をしてたらしい。
ヨシヤは私の頭を優しく撫でながら、落ち着かせるように言い聞かせた。


「大丈夫。アンダーサイカが目覚めるのは夜中の間だけ。
つまり夜が明ければ豊花ちゃんの仕事はありません。お家に帰れますよ。」


「そ、そっか。」


良かった。ちょっとホッとした…。