【約束通り来てくれたんですね、豊花ちゃん。】




ごおっ、と強い風が巻き起こった。


「きゃっ…!!」


地下街への入り口から生暖かい風の渦が、私目掛けて襲い掛かってくる。

がしゃがしゃと激しく音を立てるフェンス。
目を開けていられなくて、私は両腕を翳して頭を庇った。



「うぅ…!」


いくら待っても風は止まない。
もしかすると永遠に吹き続けるんじゃないだろうか。そんな錯覚すら抱く。



―――怖い、助けて、誰か…!


「…ヨシヤ……!!」