すると案の定、薬局看板より少し離れた別れ道の所に、片方の鎖が外れて宙吊り状態になったトイレのプラカードを見つけた。
「ほら、潤ちゃんあっち。」
指を差す。行くなら早く行ったほうがいい。
しかし潤ちゃんは動こうとしなかった。
「…あ、あたし一人で行くの?ま、真っ暗よ?」
「………。」
確かに、懐中電灯を持ってても周囲が見えない暗さ。
こんな中を一人でトイレに行くなんて、私もごめんだ。
どうしたものかと困ってると、今までビビりだった拓くんが名乗り出た。勇敢にも。
「お、おれがトイレの前まで付いてってやるよ。
豊花はここで待ってろ。道分からなくなったら困るからな。」
「うん、分かった。」
拓くんにしては気が利いてると思った。



