無意識に唾を飲み込む私。 拓くんの答えは……、 《何言ってんだ? あのあと結局、何も無いからって三人で帰ったじゃん。 潤子とトイレから帰って来てから。》 「……え?」 ―――“三人”で? それを聞いた瞬間、私は言葉を失った。時間にして1分くらいだろうか。 お母さんのおかしな発言と拓くんの奇妙な証言が重なる。 どちらも、違う記憶を刷り込まれていた。