アンダーサイカ



はあ、と溜め息を吐いて、私は潤ちゃんと拓くんを追い越して列の一番前に進み出た。


「じゃあ、あそこに見える薬局の看板まで行こ。何も無かったら帰るの。いい?」


「お、おう、分かった…。」

「勇気あるわね…、豊花…。」


正直すごく面倒臭かったけど、いつも強気な二人から頼られるのはちょっと嬉しかった。

懐中電灯でやや高めに照らし、私は斎珂薬局の看板を目指す。




私たちがアンダーサイカ探索を始めたきっかけは、拓くんの一言からだった。


『なあ、夏休みのグループ研究さ、アンダーサイカ探検にしねえ!?』


6年生のグループ研究とあって、他のグループは地域のボランティアだとかゴミ拾いだとか、有意義なことを企画してる。

だから私たちはその逆で、アンダーサイカという都市伝説の解明をすることにしたのだ。