――カラカラカラ…



そして引き戸が開かれた。




中から出て来た商売人の姿を見て、義也は言葉を失う。


12歳くらいの、小さな女の子だ。

長く綺麗な黒髪に、椿模様の割烹着姿。肩にはさっきの黒いヒヨコを乗せている。

紫水晶のような、大きくきらきらした瞳をした、とても可愛らしい女の子だ。



太陽を思わせる素敵な笑顔を見せて女の子は言う。



「いらっしゃいませ!
ようこそアンダーサイカへ!」



義也は、女の子の楽しそうな…純粋な笑顔をじっと見つめて、

それ以上の反応はしなかった。

「…………。」