目を凝らすと、それはヒヨコくらいの大きさの生き物だった。
黒い羽毛に紫色の目玉。そんな生き物がよちよちと、義也より先に薬屋に来店していった。
僅かな引き戸の隙間から潜り込んだのだ。
「…………。」
義也はしばし呆然とする。
直後、中から話し声が聞こえてきた。
【客ガ来店シテイルゾ、早ク店ヲ開ケ。早ク!早ク!】
「はいはい、分かりましたよ、せっかちだなぁ。
私だって準備とかいろいろあるんだよ?」
【イイカ、オ客様ハ神様ダ!
神様ハ偉イノダ!
待タセテハ駄目ナノダ!】
「私に言わせればあんたはちっちゃな暴君だけどね。」
【ナニ!?】



