「でも、結構早いうちに皆の回答が集まって良かったよ。
資料がないとそもそも構成は完成しないもの。」


「む…。こんな回答でいいのかしら。
皆不真面目すぎるわ。」

潤子はやっぱり納得がいかないらしい。


すると突然、


「そんなことねぇよ。
これも立派な資料だって!」


拓哉がパッと輝く笑顔を見せて、こんな話を始めた。


「大統領だって石油王だって、そいつ本当に楽しそうに語ってくれたんだ。
偉い人になりたい。大金持ちになりたい。
将来の夢なんて難しく考えるもんじゃない。そんな単純なもんでいいんだよ。

潤子のほうだって、そうだろ?」