「それじゃあ、行ってくる。」


雑誌の束を片手に、お父さんがドアを押し開ける。


「行ってらっしゃい。」

パタパタ…と手を振る私。
いつもならそれでおしまいだ。


でも、



「――………ねえお父さん。
前に私にさ、何かしちゃダメって怒らなかった?」



「え?」