それは、今までの我慢とか恐怖とかが、一気に弾けた結果だった。 いい子にしてなきゃ。受け入れなきゃ。6年生なんだから。 …そんな暗示をかけて、押さえ込んできた。 本当はずっと怖くてたまらなかったのに。 お家に帰りたいと泣きわめきたかった。 寂しくて心細くて、私がこの世界で唯一頼れる人に……ヨシヤに、本当はたくさん甘えたかった。 だって気づいたんだもの。 私はこんなにも…、 「…ヨシヤが、大好きだからぁっ…!!」 ―――稔兄ちゃんよりも、誰よりも。 「豊花ちゃん……――。」