「…薬屋…そんな、そんな目を向けるなよ…っ。
お前は、ボクに憧れてたじゃないか!この姿に…なりたがってたじゃないか!!」


その叫びに対するヨシヤの返答は、


「…ミノルくん、僕はきみの勇気に憧れたんです。
人鬼に憧れたことなんて、一度もありませんよ…。」


ただただ、苦しそうだった。



その返答を聞いた稔兄ちゃんは言い返すこともできず、唇を噛み締める…。


…ヨシヤも稔兄ちゃんも本当は分かっていたんだ。
人鬼になったって幸せになれるわけじゃない。醜い姿になって、敵対されて、あとはただ食べるだけ…。

そんなおぞましい存在にならないとアンダーサイカからは逃げられない。

ヨシヤはそれが恐ろしかったんだ…。
そして稔兄ちゃんはそれを知った上で、人鬼に…――。