「……い、や………!!」
―――私も、ああなるの…!?
麻痺していた恐怖が蘇る。
バタバタと脚を動かし、体をよじって、稔兄ちゃんから逃れようとした。
でも首をがっちり掴んだ手が離れることは決してなくて。
「…カッコイイでしょ。もうすぐ完成するんだ…。豊花を添えれば最高の見世物になるよ。
……ただそれには、両手両脚は邪魔だよね。」
「…ぃ、…いや…っ、い、やぁあ…!!」
稔兄ちゃんの狂気の目に見つめられるのが怖い。
この先に待つ苦痛を考えるのが怖い。
稔兄ちゃんが片腕を離すと、包丁の一本が独りでにその手の中に飛び込んできた。
鈍色の刃の中に自分の姿を見つけたと思ったら…、
「……っっ!!!」
それは真っすぐ、私の脚目掛けて振り下ろされた。



