稔兄ちゃんは斎珂駅で、快速電車の前に身を投げ自殺した。
…期待に満ち溢れた顔で。
私は確信した。
稔兄ちゃんの自殺の理由は何かに絶望したせいでも、正義感か何かの代償でもない。
ただ気を引きたかったから、自傷と同じく、自分を傷付けようとしただけなんだ。
“線路に飛び込んだら人は間違いなく死ぬ”。
そんな当たり前の判断すらできないくらい、稔兄ちゃんの心は壊れていて。
「………ぁ……あぁぁ…っ!」
今目の前で私の首を締め上げてるのが、
私がずっとヒーローと呼んできた、大好きな、大切な稔兄ちゃんの…、
…“成れの果て”なのだと実感せざるを得なかった。



