アンダーサイカ




「そうだね。

ボクは豊花が心の底から嫌いだよ。」



予想できなかった…と言えば嘘になる。
私は稔兄ちゃんに、強く強く首を絞められた。



「…ぁぐっ……!!!」



冗談やふざけてるわけじゃない。稔兄ちゃんは確実にじわじわと手の力を強め、文字通り私の息の根を止めようとしていた。

…でもそれより悲しかったのは、稔兄ちゃんに“嫌い”と言われたことで…。



「お前ばっかり…。

薬屋はアンダーサイカでのボクの犬だったんだ。それなのにお前は名前を呼ぶばかりか…っ、信頼されてる…!ボクよりずっと…!
地上には友達もいるじゃん…。気の置けない友達がさぁ…っ。なんで…?お前には頭も力も何も無いくせに!」



「…んっ、か…ぁ……!!」


めきめきめき…と不気味な音がして薄く目を開けてみれば、稔兄ちゃんの両腕が太く真っ黒になっていた。アンダーサイカに溢れる“お客様”のように。

顔半分も黒く染まってきて、その姿はまるで…、


―――鬼…みたいだよ……。