「………あいつ、あいつが…あいつが…すみ、住田の、…、」


あいつが住田の両親を犯罪者に仕立て上げた。

電話番号や住所を変えても止まない誹謗中傷に精神を病み、両親の憔悴ぶりがストレスとなって疲弊しきった住田は、両親と一緒に自宅で首を吊った。



あの日からオレ達にとって稔は絶対的な存在になったんだ。

絶対的な支配者に。



「…もう、いやだ……いやだ!稔は…あんな想いはもう…!!」


「落ち着け吉沢…!
稔はもう死んだんだよ…。こないだ俺達が見た稔の妹だって、稔とは全然違うじゃないか。」


違うんだよ。



「……ちがう、ちがう…!
“稔はいた”…!オレには見えたんだ…!!

あの子の隣で12歳の稔が笑ってた…!!“嬉しそう”に!!」