「…………え?」 何の前触れもなく警鐘がピタリと止んだために、 その知らない声は、ハッキリと私の耳に届いた。 知らない、男の子の声。 私の名前を知る、人…。 ゆっくりゆっくり顔をあげる。 対面に、知らない男の子が座っていた。 「……誰?」 同い年くらいで背も同じくらい。短い黒髪の、笑顔の素敵な男の子。 私が唖然としてると男の子は、 「ボクは稔。 お前のお兄ちゃんだよ、豊花。」 そう、名乗った。