「……分からないんです…。
僕はきみを食べなきゃいけないのに……、でも、
きみを殺したくない……。」
キュッと、回した手に力がこもる。
私は答えに困った。
食べていいよ、とも言えないけど…食べないでとも即答できない。
ヨシヤの苦しいくらいの葛藤が腕から伝わってくるようで。
―――アンダーサイカから逃げたい気持ちと、友達(わたし)を死なせたくない気持ち…。
どっちも同じくらい強いんだろう。彼の中では。
だから私は、彼に代わった答えを提示するのがお節介に思えちゃって、
「…今すぐ決めなくていいよ。
ヨシヤにも私にも、まだ時間はあるんだから。ゆっくりじっくり考えて、決めればいいよ。」
問題の先伸ばしっていう臆病な対処しか、今の私にはできなかった。