アンダーサイカ



だから思ったままを口にする。



「警備員さんは優しいね。」



「……なっ…!!」

警備員さんが二の句を告げられないまま言葉を失い、ヨシヤはなんだか凄い勢いで私のほうを振り返る。

私は警備員さんを見つめたまま言った。



「…でもね、ヨシヤも優しいんだ。
私は彼を今更見捨てられない。放っておけないの。

だってヨシヤのこと好きだもの。」



―――潤ちゃんや拓くんや、稔兄ちゃんと同じくらい…。



短い間に、ヨシヤは私にとってそれくらい大切な存在になってたんだ。

気づいたのはたった今だけど。