「…ッ!!」
驚いて目を見開いた時、運悪く警備員さんと目が合ってしまった。
池の底みたいに暗く冷たい目が私を睨む。そして…、
「……やはり危惧した通りか。
小娘、貴様は地上の人間だな。」
たった一目で私の正体を言い当てた。
昨日マサちゃんのとこへお使いに行く前に一度見たけど、その時は警備員さんは私を見なかった。
…でも、あの時からもう私がよそ者だって分かっていたんだ。
ヨシヤの言葉を思い出す。
地上人が紛れ込んだら、警備員さんが速やかに地上へつまみ出す…って。
―――じゃあ、私も…?
グッと身構えると、ヨシヤが私と警備員さんの間に手を翳した。
私には「前へ出るな」。
警備員さんには「こいつに触るな」の意味だ。



