アンダーサイカ



“まるで進化だ”と思った。


商売人が人鬼になって、そしてあのオバケたちになる…?



ヨシヤがさも常識のように語った一連の話。
私にとっては常識であるばかりか、ただの不気味な怪談にしか思えない。

なのに、そこからの私はすごく落ち着いて話を聞いていた。

恐いのか、恐くないのか、それすら分からないで。



「大体、理解してくれました?
僕が今までずっと豊花ちゃんを食べたいと言っていたのはそういう理由(わけ)。

僕はお客様になり、本当の自由を得たい。その第一歩として、どうしても地上人を食い殺さなければいけないんです。

利口な豊花ちゃんなら分かりますね?
アンダーサイカではきみ達の常識なんて通じないんです。

この広大で狭小な牢獄から逃げるために、僕はどんな惨いことでもしますよ。

…大好きなきみを殺してでも。」