「…はぁ。

んもう、お子様は…。」


泣きべそをかく私を見下ろして、男の人は面倒臭そうに溜め息を吐く。…笑顔だけど。

まったくもってその通り。…だけど私は悔しくて、嗚咽をもらしながら言い返す。


「…おっ、子さまじゃ…ない…!」


「違うんですか?
見たところ小学生でしょう?

大方、肝試し気分でここに入り込んだんでしょう。立入禁止の金網を越えて。
いけない子だ。」


「…うぅ………。」


言い返せない…。

この人は正しい。
勝手に入り込んだんだから私が悪いのは明らかだ。

まさか地下に人がいるなんて思ってなかったけど。



恐怖心がだんだん申し訳なさに変わってきた。

ぐすぐすと鼻水すすりながら、小さな声で「ごめんなさい…」と謝る。
子供じゃないと言いながら、なんだこれ。完全に子供だ…。