「…金輪際(こんりんざい)、 稔について妙な詮索はやめろ。 母さんのこんな姿を見てもまだ続けるというのなら、必ずお前にとって悪い結果になる。 ………いいな?」 お父さんは穏やかだ。 穏やかな口調が、私は大好きだった。 …………でも……、 「返事は?……豊花?」 お父さんの目はまるで、敵か害獣でも見るように侮蔑的で…。 その“脅し”に耐え切れず、私は涙目になりながらこう答えるしかなかった。 「……ごめん、なさいっ…。」