「………おい、お前。
少し落ち着け…。」



そんなお母さんの肩に、お父さんが優しく触れた。

ビクッとするお母さん。
でもすぐに、


「うっ……うぅ………。」


お父さんにもたれ掛かって嗚咽をもらし始めた。



私はその場に立ち尽くして、今のお母さんの豹変ぶりを何度も何度も…頭の中で繰り返す。

…初めてだ。あんな姿…。



「………豊花、」


「えっ………?」


お母さんを宥めるお父さん。こっちはとても落ち着いてる…。

良かった。お父さんはいつもどおりだ。
いつもの優しい…………、