さっきのプレートはどうやらお金らしい。 お金を受け取り商品を手渡す。そのやり取りは、商売人と客そのもの。 そういえばさっき男の人は言ってた。…“お客様”って。 ―――あの塊が…お客様…? どう見たって人間じゃないけど。 訝しんでいる内に、彼らの交渉は終わったみたい。 男の人は深く頭を下げて、 塊たちは薬屋を通り過ぎ、出口の方向へ這っていく。 薬屋の入口からは私の姿がまる見えなんだけど、 「…………。」 塊たちは、私に気づくことはなかった。