潤ちゃんは照れ臭そうに「まぁね~」と口にした。
彼女ほどパソコンIQが高くない拓くんは始終首を傾げていたけど、途中から私たちの間に割り込んで、マウスをぐりぐりいじり始める。
自殺者リストを見てるんだ。
「本当だ。こんな昔から…。
…ていうかあの駅、そんなに古かったのか。オレ使った記憶すらないのに。」
あのおじさんお巡りさんが若い頃からあった斎珂駅。
ということは少なくとも30年くらいは歴史があるはずだ。
スクロールされていくリスト。それをじっと目で追う最中、
「…なあ、このマーク何だろうな?
ほら、名前の横にある“未”って…。」
拓くんが、さっきから自殺者名の横に飛び飛びで付けられている不可解なマークを指摘した。



