アンダーサイカ




お父さんがあの日からいっそう仕事で忙しくなって、

お母さんはいつまでも稔兄ちゃんのことを忘れないで、いつまでも稔兄ちゃんのことを悼む。

一緒にご飯を食べてても何をしてても、両親はどこか、ずうっと稔兄ちゃんのことを考えていたんだと思う。



私のことを撫でてくれる時も、どこか私と稔兄ちゃんを重ねていたんだと思う。



……私は、稔兄ちゃんに嫉妬してるわけじゃない。いつまでも忘れないでいられるから、それはそれで嬉しい。

…でも、



「………少しくらいは、ちゃんと“私”を見てほしかった……。」



ちょっとでいいから、
“私”とご飯を食べて、“私”と触れ合ってほしかったの。



「……でもそんなこと言ったら、お父さんもお母さんもきっと困る…。」


稔兄ちゃんのこと忘れちゃうんじゃないか…って。